一年で最も昼が長く、最も夜が短い日「夏至」
「夏至」と聞くと、一番暑い夏の日を想像する人もいるのではないでしょうか。
日本では6月22日(今年は6月21日)ごろが「夏至」とされていて、
梅雨の真っただ中!
ジメジメとした湿っぽさを感じる生活の中で、夏の到来を意識することなく過ごしてしまいがちですが、暦的には「夏になった日」となるのですね。
では、夏至にまつわる【食】の風習についてお話しましょう。
「冬至」にカボチャ!「夏至」に!?
「冬至」にはカボチャを食べるという風習がありますよね。
その由来はご存知ですか?
古い昔は1年中作物が採れた訳ではなく、冬を越すのは大変なことでした。
冬を越すために、夏に採れたビタミンやミネラルが豊富なかぼちゃを保存し、大事に食べる。
冬にも栄養をとれるよう工夫されたのが由来と考えられます。
「冬至」にカボチャを食べると風邪予防!と聞くのはそのためなんですね。
では、「夏至」にはどんなものを食べるといいのでしょう?
実は「夏至」には共通の決まった食べ物がないのです。
なぜなら、昔は今と違い夏至の頃が田植えの一番忙しい時期で、のんびりと食事を楽しむ余がなかった為と言われています。
それでも詳しく調べてみると、それぞれの各地で「夏至」の頃に食べる食べ物があることがわかりました。
各地の【夏至】の食べ物は特産品?!
関西➡タコ
稲がタコの吸盤のように張り付き、しっかり根付くように…と祈る思いを込めて食べるようになったのだそうです。
タコにはタウリンや亜鉛も豊富で、疲労回復に効果があります。
タコの足から連想する豊作祈願はとてもユニークな発想でありながら、やはり田植えで疲れている時期に旬のタコを食べて夏バテを防止するという暮らしの知恵から生まれたものなのでしょう。
関東➡小麦餅
もち米と収穫したばかりの小麦を同量に合わせた餅を焼いて食べる風習。
関東地方では昔から稲と麦の二毛作を行っている農家が多く、夏至の頃に収穫できた小麦に感謝し、神にお供えしたのが由来とされています。
福井県(大野市)➡焼きサバ
脂ののったサバを丸ごと棒に刺して焼き、生姜醤油で食べる。
大野の殿様が一生懸命働く農民達にサバを食べるように勧めたのがきっかけとされており、体力をつける働きを持つサバは、田植えでの疲労回復に効果的だったと言えますね。
香川県➡うどん
香川と言えばうどん!これは有名ですね。
農作業で疲れた人達に、収穫したての小麦を使って作ったうどんを振舞ったのが始まりとされています。
現在では7月2日をうどんの日として、無料で食べられたりするそうです。
さいごに
昔からの風習とは、暮らしの知恵がたっぷり詰まっていて、とても理にかなっているのですね。
旬の時期に美味しくいただくのは身体にとても良いことです。
是非、今年の夏至は日本の食文化に触れながら、食卓を囲んでみてはどうでしょうか。