高血圧になると心筋梗塞や脳梗塞を引き起こすという意識は
多くの方が持っていると思います。
となると…血圧は低ければ低い方が良いのでしょうか?
決してそうではありません。
血圧が低くても、めまいや貧血といった体調不良を引き起こすのです。
血圧が体の中でどういった役割を果たしているのかを知ったうえで、
低血圧の原因と改善法をご紹介したいと思います。
血圧って何?
「血圧」と言う言葉は知っているけれど、いったい何のことだかわかりますか?
血圧と言うのは血管内を流れる血液の圧力のことです。
体のすべての血管にありますが、とくに上腕動脈の圧力を指します。
心臓が収縮して血液を押し出すときに高くなり、
拡張して血液の流れが緩やかなときは低くなります。
血圧は常に変化していて、その変動は活動によるところが大きく、
活動が高まれば上がりますので、朝は低く、徐々に上昇し日中は高く、
夜になると下がり、睡眠中は最も低くなります。
また、冬は高く、夏は低くなり、季節によっても変動します。
正確な血圧の数値を把握するためには、いつも同じ時間帯に、
落ち着いた静かな場所で、大きく深呼吸し、
リラックスした状態で計測することが重要になってきます。
低血圧の数値の目安
低血圧の人は長生きする人が多いとも言われています。
なぜなら、血圧は加齢とともに高くなるので、低血圧の人でも、
高齢になると正常値に戻ることがあるからです。
そのため、生活習慣病を引き起こす高血圧ばかりが騒がれますが、
世界保健機構(WHO)が最高血圧が100mmHg以下、
最低血圧が60mmHgのものを低血圧と定めています。
もしも、あなたの血圧が基準値を下回っていても、めまいや立ちくらみ、
貧血など日常生活に支障をきたす症状がない場合は、
体質的に血圧が低いだけであって「低血圧症」ではありません。
低血圧の原因と症状、改善法は?
低血圧の原因として一番にあげられるのは、やはり体質によるものです。
やせ形で虚弱体質の人に多く見られる「本能性低血圧」の主な症状は、
めまい、全身の倦怠感、耳鳴り、食欲不振、動悸、肩こり、不眠などがあります。
次に、代表的なのが「起立性低血圧」です。
これは、血圧をコントロールする自律神経が正常に働かないことが原因で、
急に立ち上がったときにめまいや立ちくらみなどの症状が現れたりします。
ひどいケースでは目の前が真っ暗になり失神することや、
心臓や胃の血液不足から、動悸や胸やけ、吐き気、みぞおちの辺りの痛みなどが
あらわれることもあります。
最後は、疾患の症状として起こる「症候性低血圧」です。
主に、心臓疾患、肺疾患、ホルモン疾患などがあり、
癌に伴う低栄養状態やケガによる大出血の場合も低血圧を招きます。
また、降圧薬、抗うつ薬などの副作用、人工透析でも起きることがあります。
【改善法】
①規則正しい生活を心がける
②塩分を取り(取り過ぎは禁物)、タンパク質とのバランスをこころがける。
③適度な運動をする
④入浴をし、入浴後にはマッサージをする
⑤アルコールは控える
体質や生活習慣が大きく影響している低血圧には、
これといった治療薬はありません。
また、高血圧の人ほど、
生活習慣を大きく見直さなければならないこともありません。
ですが、血流を良くし、自律神経を正常に保つ生活を心がけるといった点では、
日常生活の改善が必要となってきます。
まとめ
血圧が低く、血流がわるくなることにより、
結果としてさまざまな低血圧の症状が誘発されます。
また複数の症状が同時に起こることが多いのが、
低血圧の一番やっかいなところです。
このためにも、自身で低血圧をコントロールする簡単な
生活習慣を身につけることが大切です。